バッタもん日記

人生は短い。働いている暇はない。知識と駄洒落と下ネタこそ我が人生。

「サイエンスバスツアーin福島」に参加します

11月2日に、東京大学大学院農学生命科学研究科 食の安全研究センターの主催で、『サイエンスバスツアーin福島「行って、見て、聞いて、食べてみよう!〜お肉について丸ごと知る一日〜」』が開催されます。 参加するかどうか迷っていたのですが、先日サイトを…

農家は自家用の農産物には農薬を使わないというのはどこまで本当か

「農家は出荷用の農産物には農薬を使うが、自家用の農産物には農薬を使わない。農薬の危険性を知っているからだ」という主張をよく見掛けます。誰が言い始めたことなのかはわかりません。しかし、現代の日本で根強く定着してしまっている言説です。twitter上…

毎日新聞「サイエンスカフェ」記事に対する私見

1.はじめに毎日新聞の9月12日の科学報道に関する記事が議論を呼んでいます。 参考: はてなブックマーク サイエンスカフェ:「科学者ではない」− 毎日jp(毎日新聞) 非難殺到『あなたの言っていることは、あなた以外の世界では通用しませんよ』はどう解釈す…

「奇跡のリンゴ」という幻想 −うわっ…私の収穫、低すぎ…?−

1.はじめに少々間が空きましたが、「奇跡のリンゴ」に対する批判を再開します。 以前も説明しましたが、木村秋則氏はとにかくリンゴに関する数字を出しません。栽培技術を評価する基準として収穫量は必須なのですが、私が調べた限りでは、「奇跡のリンゴ」…

うんこと食料自給率 −物質循環−

1.はじめに(1)契機 先日の無肥料農法を批判する記事の反応から、世間に「物質循環」という概念が定着していないことに少々驚きました。まぁ、物質循環ということを考えていないから無肥料農法などというヨタ話が好評を博してしまうわけですが。もっと言う…

ガジェット通信からの寄稿依頼を拒絶します その後

先日の記事で、ガジェット通信編集部からの寄稿依頼を拒否したことを述べました。すると、意外なことに編集部から謝罪のメールが来ました。同編集部は、著者が記事の寄稿依頼を承諾しても実際に掲載するとは限らず、沙汰止みになってしまうことがあると聞い…

ガジェット通信からの寄稿依頼を拒絶します

先日のブログ記事『「奇跡のリンゴ」という幻想 −無肥料農法は長続きしない−」』に対して、ガジェット通信編集部より寄稿依頼が来ました。 実は、当ブログへの同編集部からの依頼はこれで三回目です。一回目は「疑似科学が教育現場に入り込む理由」で、二回…

「奇跡のリンゴ」という幻想 −無肥料農法は長続きしない−

引き続き、「奇跡のリンゴ」に対する批判を行います。我ながらよく飽きもせずに書き続けられるなぁ、と思いますが、一年以上温め続けたネタなので、いくらでも書けそうです。もう少し続けます。このシリーズの執筆は、私自身の農学のいい勉強になっておりま…

「奇跡のリンゴ」という幻想 −無農薬のジレンマ−

1.はじめに私は農学を修めたものとして、「無農薬」という言葉に対して懐疑的です。 「農産物の生産量を維持できるのか」 「農産物の価格を抑えられるのか」 「農家の労力が増えないか」 「そもそも本当に無農薬なのか。市販の正規の農薬の代わりにお手製の…

「奇跡のリンゴ」という幻想 −印象操作(補足)−

前回の記事では、木村秋則氏が農協の指導を守らず、規定以上に農薬を使用していたとの内容を、書籍(百姓が地球を救う 東邦出版)から引用しました。正確を期すために、対象箇所を広げ、また関連する箇所を含めて再度引用します。言葉足らずで誤解を招く部分…

「奇跡のリンゴ」という幻想 −印象操作−

1.はじめに引き続き、「奇跡のリンゴ」に対する批判です。 前回述べた通り、木村氏は数字を挙げて実証することに対して消極的な人物です。そして、宣伝に余念がない人物でもあります。実証性に欠ける人物が宣伝を行えばどうなるか。「印象操作」になるのは…

「奇跡のリンゴ」という幻想 −感動ではなく数字を−

1.はじめに前回の記事は予想以上の反響を得ました。「奇跡のリンゴ」に対する関心の高さがうかがえます。今回も引き続き、「奇跡のリンゴ」の問題点を考えたいと思います。前回同様タイトルが全てですが。なぜ私はこの物語が感動を強調していることを問題視…

「奇跡のリンゴ」という幻想 −安物の感動はいらない−

1.はじめに昨日、「奇跡のリンゴ」という映画が公開されました。「無農薬無肥料栽培でのリンゴの栽培に成功した」と自称している、木村秋則という青森県のリンゴ農家の物語です。 その影響か、私のブログ記事にコメントが集まっております。1年以上前の記事…

化学物質過敏症についてのコメントに関する補足

映画や漫画の影響か、「奇跡のリンゴ」が注目されております。 そのため、昨年2月に書いた批判記事にかなりのアクセスがあり、コメントも多数もらいました。 『「奇跡のリンゴ」ならば「化学物質過敏症」の患者でも食べられる』と指摘するコメントに対する反…

腐った米のとぎ汁教祖の大放談 その2

前回に引き続き、飯山一郎という人物のインタビュー記事が雑誌に掲載されましたので、紹介します。1.はじめに この人物は、「腐った豆乳や腐った米のとぎ汁を散布すれば放射能が消える」「腐った豆乳や腐った米のとぎ汁を飲んだり吸い込んだりすれば免疫が…

日本の主食は本当に米なのか その3-1  −人災としての飢饉 日本編−

前回の記事で飢饉について述べたので、今回も引き続き飢饉について語ります。1.はじめに 飢饉とは食料不足ですから、当然ながら天候不順や農作物の病気・害虫による食糧生産量の減少が原因となるはずです。ところが、日本のみならず世界の歴史を見渡してみ…

日本の主食は本当に米なのか その2  −平成の米騒動と八重の桜とオバマ大統領−

前回は、様々な観点から「米が日本の主食である」という言説を批判的に検討しました。今回は、米や主食に関して雑談めいたことを述べたいと思います。 サブタイトルの3つの用語に共通するものは何か。それは、「飢饉」です。日本人の大多数が飢饉から解放さ…

サンデー毎日の「ナノ純銀除染」擁護記事

つい先日刊行されたサンデー毎日が、疑似科学として悪名高い「ナノ純銀除染」を全面的に擁護する記事を掲載するという度し難い暴挙に出ました。タイトルは、『アッキーが視察したナノ銀の除染効果−3・11「2年後の人災」−昭恵夫人が思わず漏らした「主人に伝…

腐った米のとぎ汁教祖の大放談 その1

飯山一郎という人物がいます。「腐った米のとぎ汁を飲んだり吸い込んだりしたら放射能の害がなくなる」、あるいは「腐った米のとぎ汁が放射能を消してくれる」などという常軌を逸した主張を行っている人物です。以下のように、ネット上で盛んに活動していま…

疑似科学と道徳 −下村文部「疑似科学」大臣の醜態より邪推する疑似科学信者の思考の傾向−(続)

先日の記事はなかなかの反響を得ました。ありがたいことに、批判も頂きました。 私は他人の批判をするのは大好きですが、他人に批判されるのも大好きです。批判されるということは、何らかの反響があるということですから。また、批判されない限り、人間は成…

疑似科学と道徳 −下村文部「疑似科学」大臣の醜態より邪推する疑似科学信者の思考の傾向−

1.はじめに先日の記事でも書きましたが、下村博文文部科学大臣が様々な疑似科学を信じていることが問題視されています。詳しくはこちらをご覧下さい。 この困った大臣の体たらくから、疑似科学信者の思考の傾向を探ってみたいというのが今回の記事です。ま…

週刊朝日のEM・ナノ純銀批判記事

今週発売された「週刊朝日(2/1号)」が、『「菌と銀」で放射能を除去? 下村文科相が入れ込む“個性派”科学』と題して、EMとナノ純銀による除染を懐疑的に取り上げています。明確に批判と呼べるほどの強い論調ではありませんが、明らかに疑問を提示していま…

日本の主食は本当に米なのか その1

1.はじめに 食育や食料自給率とも関連しますが、「日本の主食は伝統的に米である。日本人はもっと米を食べるべきだ」という意見があります。 私も基本的にはこれに賛成です。日本は米を完全自給できています(加工用米を除く)。それどころか、余ってどうし…

科学と経済を軽視したら……

先日、畜産物に含まれる放射性物質の安全性や低減に関するシンポジウムに参加しました。 参加者の大半は研究者や技術者でしたが、少し雰囲気の違う集団がいました。思い詰めたような表情が見て取れましたので、恐らく「市民グループ」だろうと予想は付きまし…

カルチャーショックな学会とエビデンスと農業の生きる一つの道 その1 園芸療法って何?

(1)はじめに 先月、岐阜市で開催された日本園芸療法学会の大会に初めて参加しました。この学会は日本語の会誌を発行しており、査読審査制度も設けているようですが、規模は小さく、日本学術会議に登録していないので、現段階では「自称学会」に過ぎません。…

産経新聞の開き直り記事から邪推するマスメディアの意識の低さ(続)

前回の記事の続きです。野球で例えると、ある球団はドラフトでもトレードでも投手を全く獲得しない。代わりに野手に投手をさせることでしのいでいる。それも、見所のある(投手としての可能性がある)野手を投手として鍛え直すのではなく、順繰りに野手に投…

産経新聞の開き直り記事から邪推するマスメディアの意識の低さ

読売新聞がiPS細胞に付いて大誤報をやらかしたことで、新聞の科学報道に対するスタンスが注目されております。また、科学の世界では世界最高水準の学術誌の一つであるNatureが、日本のマスメディアの科学報道のレベルの低さを酷評しています。 参考:科学報…

比嘉照夫の大嘘理論 「抗酸化作用」

相変わらずEMの猛威が吹き荒れています。 親玉の比嘉照夫の言っていることは科学的にデタラメだらけですが、全てを批判することは私の手に余りますので、手に負える部分だけ少し批判してみます。比嘉によると、EMの作用の特徴は「抗酸化作用」にあるそうです…

疑似科学における「個人の自由」「自己責任」という欺瞞

以前にも書きましたが、疑似科学信奉者は批判されると、「個人の自由」「自己責任」という言葉を持ち出して自分の行為を正当化し、批判を無視します。これは正しい態度なのでしょうか。 私は全くそうは思いません。なぜならば、疑似科学に傾倒した人間は必ず…

疑似科学が教育現場に入り込む理由

EMが全国各地で教育現場に導入され、定着していることが大いに懸念されています。これに関連して、タイトルに記した「疑似科学が教育現場に入り込む理由」について実感したことを述べます。先日、とある学会の大会に参加しました。よくある名前ばかりのイン…