バッタもん日記

人生は短い。働いている暇はない。知識と駄洒落と下ネタこそ我が人生。

「かびんのつま」というダメな漫画

1.はじめに

このブログでは、今年の1月に「かびんのつま」という化学物質過敏症を取り上げた漫画を批判しました。今回の記事はその拡大発展版です。単行本が4月末(1巻)7月末(2巻)に刊行されましたので、まとめて読むことができました。
同作品は小学館の漫画雑誌、「ビッグコミック スペリオール」に連載されており、作者はあきやまひできという人物です。あきやま氏が化学物質過敏症の患者である妻を支える姿がノンフィクションとして描かれています。
同氏はこの作品を「世間に化学物質過敏症の存在を伝え、警鐘を鳴らすための啓蒙漫画」として制作しているようです。本人のtwitterより引用します。

「かびんのつま」はテーマも社会的なものになってきていると言うこともあり「おさなづま」以来の話題作になってほしいと思っています。
過敏症の認知がなされていくかどうか、この2巻で決まると思います。なにとぞよろしくお願いいたします。
「かびんのつま2」買ってくださった方々ありがとうございます。もっともっと化学物質過敏症が日本で認知されますように。

あきやま氏の意気込みは評価したいと思います。しかし、残念ながら現状ではこの作品は世間に警鐘を鳴らす作品とはなり得ず、逆に失笑を集めて世間の化学物質過敏症という病気に対する疑念を深める結果になっていると思います。少なくとも話題にはなっていません。新聞に取り上げられたことはあるようですが、この程度では世間を動かすことはできません。

妻の闘病支える実録漫画 かびんのつま(あきやまひでき)(朝日新聞)
実録コミック:「かびんのつま」に理解を 夫が描く(毎日新聞)
医療ルネサンス シリーズ 化学物質過敏症(4)妻の闘病 漫画で紹介

今回はこの漫画がいかに酷い漫画であるかをグダグダと述べたいと思います。いや、この漫画は本当に酷いのです。おかしなところに付箋を貼ったら大半のページに付箋を貼ることになってしまい、意味がないので付箋を貼るのをやめたぐらいです。
この漫画を簡単に表現すると、「不条理コメディ漫画」でしょうね。そう考えればそれなりに楽しめます。作者の意図とは全く違いますが。


2.いきなり結論

この漫画の単行本2冊と未掲載の雑誌連載を読んだ感想は以下の通りです。なお、これは作者の妻(以下、かおり氏)のみに関する感想であり、化学物質過敏症の患者全てに対するものではないことはあらかじめ強調しておきます。

  • 科学的にデタラメな記述が多過ぎる。
  • かおり氏の症状の一部は幻覚や妄想に起因している可能性があるので、あきやま氏はかおり氏を精神科に連れて行くべきである。
  • 漫画として面白くない。
  • 科学者・医師の監修を仰ぎ、科学的・医学的な精度を高めるべき。
  • 他の漫画家に作画を担当してもらい、漫画としての質を高めるべき。

以下に上記の内容を細かく述べます。


3.各論

(1)科学的にデタラメ
はっきり言ってしまえば、この作品は徹頭徹尾科学的にデタラメなので、個別にあげつらってもあまり意味がありません。それでも、特に個人的に特におかしいと感じた部分を挙げます。

1)「無農薬」=「安全・美味しい」ではない
この作品は、日本人の心にフードファディズム、ゼロリスク症候群を植え付けたおぞましい漫画、「美味しんぼ」と同様に、農薬忌避を貫いています。しかし、無農薬農産物が慣行の(農薬を使って栽培された)農産物より味や栄養価、安全性の点で優れているという事実はありません。あきやま氏やかおり氏が無農薬農産物が慣行農産物より優れていると感じるのはただの思い込みです。人間の味覚なんて気分や体調、思い込みですぐ変わります。この作品は根本的に科学的根拠のない俗説に基づいています。
参考 食品安全情報blog オーガニックについてのレビュー発表

2)化学の知識がない
この作品では化学物質過敏症やアレルギーに関して、「体内の有害物質の蓄積量が許容量を超えた時に発症する」と説明されています。この許容量は、「物質別の缶」として表現されています。この説明自体は大よそ納得できますが、問題は有害物質として挙げられている物質の中におかしな物があることです。列挙すると、クエン酸グリシングルタミン酸ナトリウムグリセリンなどです。どう考えてもこれらの物質が有害だとは思えません。クエン酸が有害ならば好気呼吸(クエン酸回路)ができませんので死んでしまいます。柑橘類は食べられません。グリシングルタミン酸はタンパク質の構成材料となるアミノ酸です。人間の体にも当然含まれています。グリセリンは脂肪の構成材料です。いずれも有害どころか、積極的に摂取すべきであったり体内で合成されたりする物質です。もちろん、過度の摂取は有害ですが。食品添加物としての利用を考慮しても、現状の日本人の食生活で問題が起こるとは思えません。
下でも述べますが、かおり氏が臭いを感じて体調が悪化する物質として「ph調整剤」なるものが挙げられています。しかし、普通「ph」という表記はしません。正しくはご存知のように「pH」です。学校の教科書にも必ずそう記載されています。誤植や単純ミスの可能性も否定できませんが、あきやま氏は「pH」という言葉を知らないのではないかと思います。
推測するに、有害そうな物質の名前を適当に記載しただけなのでしょう。せめて高校レベルの勉強ぐらいはして欲しいところです。

3)経皮毒デトックス
下でも触れますが、あきやま氏は「皮膚から毒物が侵入して健康に悪影響を及ぼす」といういわゆる「経皮毒」の概念を信じています。同様に、体内の毒素を排出すると称する「デトックス」という概念も信じています。2巻から引用します。

化学物質過敏症という病はデトックスがあまりできない体質の人が多い。(P23)

石油製品でできている運動靴は履けないので(P66)

服のボタンもプラスチックだからダメだ…
ズボンの中のゴムもダメ… 直接触れられないからタオルで…(P67)

汗をかいて毒を出そう…
デトックスにいい石を持っていたのを思い出した。
オーストリア バドガシュタインの石。
ラドンの石で微量の放射線を出しているらしい。(P76)

体の中の毒を出さないとこの病は治らないというのに。(P116)

残念ながらこれらの概念は医学的に否定されています。

(2)幻覚・妄想
かおり氏は五感に異常が生じています。視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の全てにです。目に見えない物が見え、聞こえない物が聞こえ、存在しない臭いを感じ、温感と味覚がなくなっています。かおり氏の訴える症状は科学的に不可能なことばかりです。
ゆえに、感覚の異常に伴う幻覚を化学物質過敏症の症状と誤認しているのではないかと思います。また、感覚の異常は脳に起因する面もありますので、脳の機能障害により幻覚だけでなく妄想も生じているのではないかとも考えられます。ここでは、特におかしな点を上げます。念のために強調しておきますが、幻覚や妄想は脳の不調に起因する症状であり、詐病であるとは考えておりません。かおり氏の苦しみは事実でしょう。私は原因に疑問を呈しているわけです。

1)見えない物が見える
かおり氏は常人には見えない化学物質が目に見えるそうです。道行く人々の体から出るシャンプーや香水の臭いが目に見えると述べられています。特に酷いのが、2巻の20〜21ページと39〜43ページです。

(自宅で夫婦で並んで寝ている場面で。その日あきやま氏は喫煙した。)
間もなく僕の口から、煙の形をした息が吹き上げてきたという。
「うわー! タバコが!」(P20)
呼吸がさらに深くなる まるで火山そっくりに 吹き上げてくる。
「す…すごい! ニオイが見えるようになった!」
さらに火山灰のようなものが かおぴゃん(引用者注:かおり氏の夫婦間でのあだ名)の顔に降りかかった。
「タバコが降ってきた……」(P21)

大泉学園駅前にて)
「化学物質が街中から噴出して…大泉学園の駅前が燃え上がってる」(P40)
「こんなの気のせいなんじゃない? 気のせいだよ…」(P41)
「これは気のせいじゃない! ホントに燃えてる!」
妻は燃え上がる大泉学園駅前を見た。これが化学物質過敏症が重症化した時に見えた風景だった。(P42)
大泉学園駅前は化学物質が至る所から噴出して、化学物質過敏症が重症化した妻にはまるで燃えているように見えた。(P43)

これらはもはや幻覚・妄想としか言いようがありません。

2)聞こえない音が聞こえる
電磁波が音として聞こえるそうです。また、エスカレーターは電磁波の濁流のように感じられるそうです。2巻135ページより引用します。

上の階の住人がパソコンのスイッチを入れる。
「ん? 天井からスイッチ音!」
「強い電気が壁の中を流れ始めた… 何か音が…」
「電気の流れる音が… 鐘が鳴ってるみたい!」

3)存在しない臭いを感じる
かおり氏は様々な物質の臭いに敏感に反応するそうです。2巻の121〜123ページに列挙されているので、引用します。

ネオニコチノイド系農薬、有機リン系農薬、次亜塩素酸、pH調整剤、ポリプロピレン、ポリエチレン、リン酸塩、ポリリジン、ステビア、次亜硫酸ナトリウム、香料、着色料、ソルビン酸カリウム

これらの物質の中には全く臭いを有さないか、仮に臭いを有しても弱過ぎて、通常の住環境における濃度では人間には感知できない物質もあります。人間は非常に嗅覚の弱い動物ですから。例えばポリエチレンやポリプロピレンは臭いがないからこそ食品の容器や包装の資材として用いられるわけです。かおり氏は一体何の臭いを感じているのでしょうか。上でも述べたように、聞きかじっただけの体に悪そうな物質の名前を何の根拠もなしに適当に並べただけだと思います。

4)皮膚から毒が吸収される
前回も書きましたが、「合成ゴムのスリッパを履くと、スリッパに含まれている化学物質が体内に侵入し、呼吸が苦しくなる。底が畳になっているスリッパを履くと平気だ」ということが述べられています。足の皮膚から毒物が瞬時に吸収され、血管を経由して瞬時に脳に達し、瞬時に呼吸が阻害されるとは考えられません。気分の問題でしょう。「合成ゴムは体に悪い」と思い込んでいるから症状が出るのだとしか考えられません。

5)謎のおまじない、「アース」
かおり氏は体が帯電して苦しくなると(あくまで本人の説明)、「アース」という行為を行うと体から電流が抜けて楽になるそうです。具体的には、土の地面の上にタオルを敷き、その上に立つことで大地に電流を放出するそうです。これを「アース」と呼ぶのはいささか苦しい気がしますし、効果があるとも思えません。ただのおまじないに過ぎず、気分の問題でしょう。そもそも体から電流を抜くのであれば、パソコンを自作したり改造したりする際に行うように、流し台やスチール棚などの金属の塊を触った方が効果があると思います。

6)マルチプロテクター、アルミ箔
かおり氏は紫外線や排気ガス、電磁波を防ぐためと称して、アルミ箔を多用しています。具体的には、窓や通気口などの住居の隙間をふさいだりや外出時の衣服の内側に貼り付けたりなどです。果たして効果があるのでしょうか。そもそも多種多様な化学物質に反応しているのに、アルミ箔には反応しないというのも妙な話です。気休め以上の効果はないと思います。

7)電磁波への反応が恣意的過ぎる
かおり氏は電磁波過敏症も発症しており、様々な電磁波に対して鋭敏かつ重篤な反応を呈します。しかし、よく作品を読んでみると。おかしな点が多々あります。
例えば、上記のように階上の住民が使用するパソコンから発せられる電磁波に反応して苦しくなると称しています。マンションの床や天井を通過した電磁波に反応するのだとしたら大変なことです。ところが、かおり氏は何と飛行機や電車に乗れます。
ドイツで洞窟療法なる胡散臭い療法を受けるために、飛行機で往復しています。その間に電磁波で苦しんだとは述べられていません。
また、単行本の3巻に掲載されるであろう話で、都会では暮らせないので温泉地での療養を計画し、電車で移動します。移動の途中で様々な電磁波に反応して苦しむわけですが、電車には全く反応していません。温泉の湯を循環させるモーターの電磁波には反応しているのに。
この件に関して、作者は体調や電磁波の周波数の問題だという苦しい言い訳をしていますが、説得力がありません。結局、かおり氏がある物体から発せられる電磁犯に反応するのは、「当人がその物体が電磁波を発すると思っている場合に限られる」のではないかという疑いを抱きます。気にしなければ反応しないのではないかと。

電磁波過敏でも感じる周波数と感じない周波数があります。携帯の電磁波はダメでも電車の電磁波は大丈夫と言う方もいます。その逆もいます。
この日は症状が少し治まっていて「電線の電磁波はあまり感じない」というシーンがその前にあります。

8)音への恐怖
かおり氏は音にも反応しているようです。単行本未掲載の第31話(スペリオール2014年7.11号)より引用します。

「なんだこれは…駅ってすごい音!」(P300)
ケータイ呼び出し音 電車の通過音 その他改札音
「電磁波の音なのかなんなのかわからないけどすごい音がしてる」
音にも過敏になってしまったということか…(P301)
通過する電車音が脳を剣のようにつらぬいて行った
「音が痛い!」(P303)
「発射音が岩みたいになってぶつかってくる!」(P305)

最早これは化学物質過敏症とは何の関係もありません。私は精神科医ではないので無責任かつ不正確かも知れませんが、不安障害やパニック障害を疑うべきでしょう。

以上より、「早く精神科に連れて行け」が率直な感想です。精神科を受診したらかおり氏の病状が改善されるか、それは実際に受診してみないことにはわかりません。しかし、受診する価値はあるはずです。なお、この夫婦は酸素カプセルだの洞窟療法だのの胡散臭い治療法には大金を出すのに、病院に行くことは頑なに拒否しています。理由は2巻のあとがきによると、以下の通りです。苦しい言い訳ですね。

「なぜ病院に行かないのか」という質問をよく受けます。
病院に連れて行きたかったのですが、目に光を当てての診察なので光過敏症の妻には無理とあきらめていました。重症になってからは一刻も早く診察してもらいたかったのですが、病院は消毒臭の強い場所なので息ができなくなると思い、連れて行くことができませんでした。
現在は専門医に診てもらうことができ、色んな物に過敏になる多種化学物質過敏症(MCS)と診断されています。

「ああそうですか。でも他の病院にも行った方がいいと思いますよ」としか言いようがありません。


4.漫画としてダメダメ

(1)画力が低い
あきやま氏は人物の表情を描くのが苦手のようです。かおり氏は様々な症状に苦しんでいるわけですが、あまり苦しんでいるように見えない場面が多々あります。苦しくて悲鳴を上げているのに薄笑いを浮かべているように見えたりさえします。
また、作画の癖なのか、夫婦そろって常にポカーンと口を開けています。そのため、表現は悪くなりますが、間抜け面に見えます。ゆえに、深刻なドキュメント漫画のはずなのに、緊張感がありません。まるでギャグ漫画です。
また、あきやま氏は眼鏡を掛けていますが、目は描かれません。漫画で眼鏡を掛けた人物の目を描かないのは、表情・感情を隠し、不可解な人物、珍妙な人物であることを強調するための手法であることが一般的です。これもまた緊張感に欠ける原因となります。

(2)演出力が低い
かおり氏の苦しみを描くために様々な描写が行われていますが、上に述べたように表情の描写力がないこと、妻の幻覚や妄想をそのまま絵にしていること、などが理由で、実に珍妙な絵面が続きます。もう少し構図や物語の流れなどを考えて欲しいところです。妻が苦しんでいるのはわかりますが、どうしても失笑してしまいます。

(3)台詞が不自然
この作品の目的は化学物質過敏症の解説なので、どうしても説明が多くなります。あきやま氏はまずいことにその説明を原則として台詞で行っています。そのため、台詞が冗長かつ説明口調になり、非常に不自然です。行動や演出で説明できればいいのですが、上記のようにそれもできていません。

商業誌に連載されている作品なのですから、漫画として面白くなければ成功とは言えません。上に述べたように社会に警鐘を鳴らしたいのならば、まずヒットして商業的な成功を収めなければなりません。読まれなければ広まりません。


5.改善案

グダグダと長文で述べたように、この作品には多大な問題があります。そこで、作者の「化学物質過敏症に対する警鐘を鳴らす」という希望を叶えるためには作品をどのように改善すればいいかを勝手に提案します。

(1)監修者
とにかくこの作品は医学的、科学的にデタラメなので、専門知識を有する医師や科学者の監修を仰ぐべきだと思います。私のような医学・科学の素人にこれだけ突っ込まれる時点でアウトです。もっと医学的・科学的な考証を重視すべきです。

(2)作画者
あきやま氏はプロの漫画家ですが、残念ながら技術の面で優れているとは言えません。これは現時点でヒット作と呼べる作品がないことからも明らかです。作画力・演出力に秀でた他の漫画家に作画を担当させた方がいいと思います。つまり、漫画作品としての面白さ、質を高めようということです。面白くなければ売れませんから。

要するに、本人の手に余るから助っ人を呼べ、ということです。


6.スペリオールという雑誌

このスペリオールという雑誌は、福島県に関する悪質なデマを流した「美味しんぼ」が掲載されている「スピリッツ」と同じく小学館ビッグコミック系列の漫画雑誌です。ということは、連帯責任ではありませんが、編集部には何も期待できないかも知れないということです。スピリッツ編集部は「美味しんぼ」騒動に関してあれだけの批判を受けながら苦しい弁明に終始し、謝罪や反省を行っていないわけですから。スペリオール編集部も同じ穴の狢である可能性があります。
スペリオールで今春に連載が終了した老舗のラーメン漫画、「らーめん才遊記」で「化学調味料が体に悪い」という俗説を完全に否定していたので、個人的にはこの雑誌の編集部には切れ者がいるのではないかと期待していました。しかし「かびんのつま」の体たらくを見ると、どうやらそれは過大評価だったようです。
あろうことか、「かびんのつま」の雑誌掲載時に冒頭の欄外で「SFとしても好評」などというような紹介文を掲載したこともあります。この作品は厳しく言えば「科学的にデタラメなヨタ話」、オブラートに包めば「荒唐無稽なファンタジー」です。「SF(科学フィクション)」ではありません。この文章はSFに対する侮辱であり、編集部の見識を疑います。
どうもこの編集部にはあまり期待できそうにありません。


7.おわりに

何事も、自分の体験したこと(主観的な事実)が客観的な事実であるとは限りません。人間の感覚なんていい加減なものです。錯覚や誤解は常に起こり得ます。私は子供の頃から目が悪く、視力に自信がありません。また、母に「あんたは都合の悪い時に耳が遠くなる」と怒られたことがあるぐらいですので、聴力にも自信がありません。自分の感覚や体験が本当に正しいのかを批判的に考えることは重要です。
本当にこの作品を通じて世間に対して化学物質過敏症に関する警鐘を鳴らしたいのであれば、作者も編集部も抜本的な再考が必要となりましょう。