バッタもん日記

人生は短い。働いている暇はない。知識と駄洒落と下ネタこそ我が人生。

食料自給率 その1

最近よく話題になる食料自給率について、個人的な意見を述べます。

(1)食料自給率って何?
国内で消費された食料のうち、国内で生産された物の割合を示します。
毎年多少の変動はありますが、最近ではカロリーベースで約40%、金額ベースで約65%です。この数字は覚えておいた方がいいかもしれません。日本の農業は強いと主張したがる人はこの金額ベースの自給率固執しますが、金額ベースでも自給率は下がり続けています。

(2)日本の自給率は低いの?
カロリーベースで見ると、非常に低いです。日本と同じ島国の先進国であるイギリスで70%以上ですから、危機的と言えます。金額ベースではデータがないのでよくわかりません。日本の自給率が金額ベースで高いのにカロリーベースで低い理由は、野菜や果物のように量が少なくて単価が高い品目の自給率が高く、穀物のように量が多くて単価が安い品目の自給率が低いからです。

(3)なぜ低いの?
○日本は国土が狭く、山がちで平地が少ないためアメリカやオーストラリアのような大量生産型の農業ができないこと
○飼料自給率が非常に低いこと
肉1kgを生産するのに数倍の重さの穀物(主にトウモロコシ)が必要とされています。つまり、畜産物の消費量増加が自給率低下につながります。
○日本で生産しにくい作物の消費量が多いこと
海外からの輸入量が多いのは小麦やトウモロコシ、大豆ですが、どちらも国内で作ると収量(面積当たりの生産量)も品質もアメリカに全く太刀打ちできません。日本は雨が多すぎるのです。減反政策の一環として水田を小麦や大豆の畑に変えることが奨励されていますが、あまりうまくいっていません。
一方、米は完全自給できて収量も品質も世界最高ですが、一人当たりの消費量は高度成長時代の半分以下になりました。

最後に、日本国内の消費量を見ると、何とトウモロコシが米の2倍近くあります。
つまり、すでに日本人の主食は米ではなくトウモロコシになってしまったのです。
日本人は国内でほとんど生産していない作物を主食として選んだのです。
色々と考えなければなりませんね。
だからと言って、日本人は米を食え、パンや肉を食うな、というのはちょっと短絡的ですが。

次回は、食料自給率は上げるべきか低くてもいいのかというあたりについて述べます。