バッタもん日記

人生は短い。働いている暇はない。知識と駄洒落と下ネタこそ我が人生。

この陰嚢が目に入らぬか! ―性の形を考える―

はじめに

心情

私は筋金入りのエセリベラリストです。そして理系大学院博士課程を中退したエセ生物学徒でもあります。
そんな私が嫌いな言説は色々ありますが、特に嫌いなものが、保守派の連中による「デタラメな生物学に基づく性に関する説教」です。具体例を挙げると、

同性愛は自然の摂理に反している
成人した男女が結婚しないのは本能に反している
子供を持たないのは不自然だ

等々。もっとも、幸いにも私の周囲にはこのような余計なご高説を垂れる人間はいません。お陰様で優雅な独身生活を続けられております。

なかなか理解されづらいことですが、人間は類人猿の一種であり、霊長類の一種であり、哺乳類の一種であります。生物学的な存在です。したがい、人間の性の形を考える上で、自然人類学、霊長類学、動物行動学などの生物学の知識は不可欠のはずです。ところが、私は上に述べたような説教を垂れる人間が生物学を修めているという事例を寡聞にして知りません
外国の事情は知りませんが、本邦の保守派は歴史学を悪用(歴史修正主義)して国粋主義、排外主義を垂れ流すだけでは飽き足らず、生物学を悪用して性差別を垂れ流すわけです。
この手の保守派による生物学の悪用で最低の事例は、天皇制の本質はY染色体による男系の維持」とかいうヨタ話ですね。Y染色体こそが天皇制の本質ならば、神武天皇の遺骨を見付けて現天皇と染色体を比較すればいいのに。絶対にしないでしょうけど。他には「○○は日本人のDNAに刻まれている」みたいな言説も大嫌いです。

個人の自由を最大限に尊重するエセリベラリスト、生物学を愛するエセ生物学徒として、上記のような言説を批判したいと常々思っておりました。

便乗

もう5年ほど記事を書きたいと思っていたのですが、なかなか構想をまとめられず、脳内でお蔵入りにしておりました。
ところが、今年の1月あたりから「けものフレンズ」というテレビアニメが人気となっており、ネット上で動物の生態への関心が高まりました。そのため、このアニメの人気が続いているうちに記事を書けばヒットするかも知れない、という打算が沸き起こるに至りました。ついでにうんちく記事にかこつけて駄洒落と下ネタを書きたいとも。

なお、人間の行動には生物学的要因だけでなく、歴史や文化などの非生物学的、社会的な要因*1も強く影響しているため、以下に述べるような生物学的な考察だけで人間の性に関する行動の全てを説明できるとは全く思っていません。念のために強調しておきます。「生物学的には人間は○○だから××すべき」と主張するつもりはありません。男女の分業だって生物学的にあっさり説明・正当化できてしまうわけで。研究者の言葉を引用します。

まず最も大事なことは、人間の心や行動に限らず、広く一般的な事象についていえることだが、自然的な性質や関係からある規範を導いてはいけないということだ。つまり、人間の一般的な性質がこう「である」からといって、そうである「べし」とは必ずしもいえないのである。
私たちがしばしば犯してしまうこのような間違いを、「自然主義的誤謬(naturalistic fallacy)」という。
心と行動の進化を探る 人間行動進化学入門 朝倉書店 P33-34

生物学者の立場からすれば、左右を問わず人文・社会科学者にしばしばみられる、人間を全く動物と区別される存在だとする見方にも同意できない。問題はわれわれがどれだけの動物的遺伝を保持しているかをまだ正確に知らないことだが、もしその過去が仮に意外に大きいとしても(中略)そしてまた、その中に人間の平等・自由の観点からみて好ましくないものが含まれるとしても、それがただちに人間社会に現存する不正義を許すことにはならないと思う。
伊藤嘉昭 新版 動物の社会 社会生物学・行動生態学入門 東海大学出版部  P161

この辺の事情に興味がある方は、「ウィルソン 社会生物学 論争」で検索してみて下さい。人間の行動を生物学的に説明することの是非は複雑な問題です

大前提

以下の点を押さえておくと今回の記事を理解しやすくなるので、事前に解説しておきます。

化石による分析の問題点

人間を生物学的に考える上で、進化の過程を分析することは不可欠です。その大きな手段が化石です。しかし、人体の部位で化石として残るのは骨格だけです。皮膚や筋肉、体毛や粘膜などは分解・消失してしまいます。そのため残念ながら、骨格以外の組織を化石から分析することはできません。性や繁殖に関する組織は骨格が関係しないことが多いので、化石からの考察が難しく、大まかな推測しかできません。

繁殖における雌雄の不公平

哺乳類は体内受精を行い、雌が妊娠・出産・哺乳を行います。雌の負担の大きさは雄の比ではありません。子供が自立するまでは繁殖できません。一方の雄は、交尾すればお役御免です。別の発情した雌を探しに行きます。大多数の種では、雄は育児なんてしません
人間で考えると、男は毎日数千万個の精子を造るのに対し、女は生涯で数百個の卵子しか造れません。理屈の上では男は無限に子供を産ませることができます。女はせいぜい10人しか産めません。
雄では出来るだけ多くの回数交尾することが子孫を残す上で合理的です。ところが雌では、何匹の雄と交尾しようと、産める子供の数は増えません。そのため、子供の父親となる雄を慎重に選びます。交尾の際には雌に選ぶ権利があります。
雄と雌の繁殖に関する戦略は全く異なる、ということを覚えておいて下さい。雄は「質より数」で雌は「数より質」です。

父性と母性

ここで言う「父性」「母性」とは、父親・母親としての感情ではなく、「父親・母親であることの確証」くらいの意味です。
雌は目の前の子供が自分の子供であることを確信できます。産んだのは自分だからです。ところが雄では、目の前の子供が自分の子供であると確信することはできません。雌が他の雄と交尾して受精した可能性を排除できないからです。そのため、雄の繁殖戦略は、一夫多妻型であれ一夫一妻型であれ、雌が浮気できないように拘束するか(狭く深く)、「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」式に乱交するか(広く浅く)のどちらかです。

雌雄の出生数の比率

人間を含むほとんどの動物で雌雄の生まれてくる比率はほぼ1:1です。この理由を考えてみましょう。
雄が多い動物の種や個体群があったとします。この場合、大半の雄は繁殖できませんので、子孫を残せません。雄を生むことは戦略として不利になります。そこで遺伝的に雌を生みやすい系統の個体が有利になり、雌が増えて行きます。
逆に雌が多い場合、雄は競争相手が少ないので、ライトノベルやギャルゲーの主人公の如く(偏見)、ハーレムでウハウハです。雄を生むことは戦略として有利になります。今度は遺伝的に雄を生みやすい系統の個体が有利になり、雄が増えます。
これを繰り返すうちに、雌雄の数はほぼ等しくなると考えられています。*2

人間と動物の行動はそれほど変わらない

「○○するのは人間だけだ。動物は○○しない」という言説はよくあります。「原罪」のようなものでしょうか。しかし、これは無知に基づく誤解、偏見で、実際にはこれが当てはまる行動の事例は非常に少ないように思います。動物の行動は、

派閥抗争・権謀術数・社交辞令
同種内での殺し合い:子殺し
共食い:チンパンジーではオスは殺した子供を食う
繁殖を目的としない性行為:遊びの性行為・同性愛・自慰
レイプ

等々、何でもありです。人間と大きく変わるものではありません。例えば群れ内の序列が厳しいチンパンジーでは、派閥抗争や社交辞令(あいさつや毛づくろい、マウンティングなど)が目立ちます。いい餌が手に入ったときにはかなり複雑な分配が見られます。さらにボノボでは、年齢・性別・血縁を問わず、あいさつがわりの性行為が見られます。専門書を読むと、類人猿の「人間臭さ」に苦笑します。言い換えれば、人間はちょっと変わった類人猿に過ぎないと言うことです。

各論

ヤマハ発情期、爆走兄弟劣&情!!

公式が病気
大半の哺乳類は決まった時期にしか繁殖を行いません。人間のように年中真っ盛りということはありません。固定された発情期がある大きな理由は、食物の獲得です。動物は植物を餌として利用しているわけですが、植物の活動は季節に強く依存しています。動物が多くの栄養を必要とする時期は、妊娠・出産・育児という一連の繁殖期間です。したがい、餌の豊富な時期に合わせて繁殖を行う必要があります。具体例を挙げると、日本のシカは秋に発情・繁殖し、翌年の初夏に出産します。ツキノワグマは同じく秋に繁殖し、冬眠中に出産します。つまり、地域の生態系や気候に合わせて発情期が決まります
ところが、チンパンジーやゴリラのような霊長類には明確な限定された発情期はありません。一年中断続的に発情します。その理由は、季節性の弱い熱帯雨林で生息しているからだとされています。いつでも餌が手に入ればいつでも繁殖できるので発情期が限定されないということです。ただし、雨季と乾季の差がある熱帯雨林で暮らすチンパンジーの個体群では、雨期に繁殖行動が集中する傾向があるようです。

なお、ボノボでは雌が実際には排卵しておらず、妊娠の可能性がないのに発情して性行為を行うことがあります。
その理由として、同時に多数の雌が性行為を行うことで、雄の雌を巡る競争が緩和され、群れが平和になること、雌が雄を選びやすくなることなどが挙げられています。発情した雌が多ければ、雄は特定の雌に固執する必要がなくなります。雌に雄に対する拒否権、選択権が与えられるということです。雌は雄に対して、「私と交尾して子供を産ませたいなら、養ってくれ」と要求できます。発情期が決まっているならば、こういう要求は発情期にしかできません。しかし、発情期が不定ならば、一年中この要求が行えます。そのため、他の霊長類と異なり、ボノボでは雄と雌の力関係においては雌が意外に強く、群れの中での主導権を雌が握ることが多いようです。

この陰嚢が目に入らぬか!・紫のマラの人・見せてもらおうか、連邦軍のMSの精嚢とやらを!

一部の霊長類は、発情すると生殖器の周辺の体色が派手になり、目立ちます。いわゆる「猿のケツは真っ赤」で、ニホンザルがその典型です。
ニホンザルの雄が発情期を迎えると、生殖器は鮮やかな赤や紫色になります。雄は同じく発情した雌に対して尻を向け、睾丸を誇示します。人間で想像したら物凄く嫌ですね。ちなみにニホンザルの雄は体重で12kg程度しかなく、体格は人間の雄よりはるかに小さいのに、何と睾丸は人間よりはるかに大きいという特徴があります。睾丸は繁殖能力だけでなく、雌に対するディスプレイとしての機能もある可能性が考えられます。西原理恵子風に言えば、「まぁ、ご立派!」みたいな。ライオンの雄のたてがみ、鶏の雄のトサカのように、男の強さをアピールする道具なのかも知れません。

また、チンパンジーボノボでは、発情した雄は鮮やかなピンク色の生殖器エレクチオンさせ、雌に誇示します。同様に、発情した雌は鮮やかなピンク色の生殖器を著しく肥大させ、雄に誇示します。

コラム 霊長類の色覚

大半の哺乳類は、発情すると以下の項目で述べるようにフェロモンにより化学的に発情をアピールします。にもかかわらず、上に述べたように霊長類は色により発情をアピールします。それはなぜか。

脊椎動物は目の細胞内の錐体視物質という物質により、色を感じます。そして、哺乳類以外の脊椎動物は4種類の錐体視物質を有しています。それにより、人間とは異なり赤・青・黄・紫(紫外線)の4原色の世界に生きています。一方の多くの哺乳類は2種類の錐体視物質しか持たないため、2原色の世界に生きています。人間で言うところの「赤緑色覚障害」です。哺乳類は他の脊椎動物に比べて、色覚の点では非常に劣っていると言えます。その背景は、初期の哺乳類は昼行性の爬虫類から逃れるために、夜行性を選んだからだとされています。暗い夜に活動するのならば色覚はあまり意味をもたないため、退化したようです。
哺乳類以外の脊椎動物の多くでは非常に色彩の豊かな種が存在します。熱帯魚、ヤドクガエル、キジ、クジャク、インコ、オウムなどがわかりやすい例です。哺乳類は、色彩の点ではかなり見劣りします。トラやキツネの毛皮は美しいとされますが、色彩が豊かと言うわけではありません。

ところが、人間を含む一部の霊長類は3種類の錐体視物質を持っています。その理由は、霊長類は果実を主食とするため、果実が熟しているかどうかを瞬時に色で判断できるように進化したためだと考えられています。その結果、霊長類は哺乳類の中では例外的に豊かな色彩感覚を得ました

フレーメンの音楽隊・フェロモンGO

発情した哺乳類の雄は同じく発情した雌の臭いを感知すると、フレーメン反応という独特の表情を見せます。この時雄は、顔を上に向け上唇をめくり、歯と歯茎をむき出しにします(参考:Google画像検索「flehmen response」)。これは雌の性フェロモンに反応し、より多くのフェロモンを吸引しようとするために起こる行動です。他の臭いと異なり、フェロモンを感知する器官は鋤鼻器と呼ばれる鼻の中にある専用の器官です。そして一部の哺乳類では、口から鋤鼻器につながる管があります。上に述べたような表情を見せる理由は、この管に空気を送り込むためです。

人間を含む霊長類ではこの鋤鼻器はほぼ消滅しているため、性フェロモンの機能はほぼ失われているだろうとされています。しかし、全く機能が残っていないわけではなさそうです。
若い女性が高密度の集団で暮らしている女子学園の寄宿舎では、女性の月経の周期がそろう傾向が見られます。この原因は何と腋の汗のようです。女性の腋の汗を別の女性の鼻の下に塗り続けると、月経の周期が変化するとの報告があります。同様に、あろうことか男性の腋の汗を同様に女性の鼻の下に塗り続けると、月経の周期が安定して生理不順が軽くなると報告されています。この実験の光景を想像したら実に楽しそうです。
人間のワキガはフェロモンである」と俗によく言いますが、案外正しいのかも知れません。

ヘアと猥褻と私

霊長類は分厚く濃い体毛を有していますが、人間にはありません。人間はなぜ体毛を失ったのでしょうか。残念なことに体毛は化石として残らないので、人間が類人猿と分岐して以降の進化の過程で、いつどのように体毛を失っていったのかはわかりません。もちろんその理由もわかりません。しかし、推測は色々と行われております。

1.体温調節

人間はアフリカのジャングルからサバンナに出ました。サバンナは日差しが強く、体温がすぐに上がってしまいます。さらに、草食動物を狩ることを覚えた人間は、長距離を走らなければならなくなりました。汗による体温低下能力を高めるには、体毛が邪魔です。
この説の主な問題点は以下の二点です。サバンナは昼間は暑いものの夜は寒いので、体毛を失うことは必ずしも有利ではありません。さらに、身体能力の都合上、狩りをするのは主に男です。したがい、男の方が体毛が濃い理由が説明できません。

2.寄生虫

体毛を失うとノミやシラミ、ダニなどの寄生虫の被害を受けにくくなるので、体毛がないことが有利だとする説があります。最近注目されているようです。

人間の体に残っている目立つ体毛で機能がわかりやすいものは、頭髪、眉毛、睫毛あたりでしょうか。頭髪や眼の保護のためですね。ヒゲはライオンのたてがみと同じで繁殖におけるアピールのための道具かも知れません。残る体毛は腋毛と陰毛ですが、上にも述べたように、いずれも臭いを発する部位に生えているので、フェロモンと関係がありそうです。それぞれの毛は、汗を固定して臭いを保持するための道具と言えそうです。

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犬を飼っている方ならばよくわかると思いますが、動物は排泄物の臭いを同種の個体に向けたメッセージとして利用します

発情した雄のシカは、水たまりや湿地などの泥がたまっている場所でのた打ち回り、全身に泥を塗り付けます。この時によく見ると、放尿していることがわかります。尿の混ざった泥を全身にまとうことで、全身からフェロモンを発するようになるわけです。草食動物なのに肉食系です。

一方、発情したウマの雄は、地面の発情した雌の排泄物、特に尿の臭いをかぐと、フレーメン反応を見せます。「馬が笑う」と呼ばれる行動ですね。そして何と、雌の尿に自分の尿をかけます。なぜか。
ウマの雄は雌をめぐって激しく争います。そのため、発情した雌がどこにいるか、という情報が重要となります。排泄物は個体の性別、健康状態、年齢など、様々な情報を含みます。したがい、新鮮な発情した雌の尿があるということは、近くに発情した雌がいることを示します。雄はこの臭いの情報を独占したい。ではどうするか。臭いを消せばいいわけです。雄の尿には多量のクレゾール類の物質が含まれていることがわかりました。昔のトイレの消毒薬ですね。雄は雌の排泄物に尿をかけることで臭いを消去し、雌の情報を隠蔽・独占するわけです。同様に、他の雄の排泄物にも尿をかけ、排除をもくろみます。
また、雄同士が争うとき、武力闘争は共倒れになる恐れがあるので、できれば避けたいところです。ゴリラが犬歯をむき出しにするように、威嚇で追い払うことが最善です。こともあろうに、雄は双方が排便して糞の臭いをかぎ合います。暴力沙汰を回避するために進化の過程でこのような手法が選ばれたのでしょう。

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生態学では性的二型という概念があります。雌雄で体格や形態に大きな差があることを意味します。哺乳類ではシカ(体格・角)やライオン(体格・たてがみ)、鳥類ではクジャク(羽)を想像するとわかりやすいと思います。性的二型が見られることは、雄の間で雌をめぐって競争が起こることを示唆します。類人猿で大きな性的二型が見られる種はゴリラとオランウータンですが、ここではゴリラに注目しましょう。

ゴリラは雌雄の体格差が大きく、雄では体重200kgを越えることもありますが、雌は最大でも100kg程度です。ゴリラは単独の雄が複数のメスを囲うハーレムを形成します。生まれてくる雌雄の性比はほぼ同じですので、雄がハーレムを獲得するには、雄同士の闘争に勝ち残る必要があります。そのため、雄では体が大きく、身体能力が高い個体が有利となります。筋肉が雌を攻略するフラグになるわけです。

一方のチンパンジーボノボでは、雌雄の体格差があまり見られません。言い換えれば、体が大きくなることが繁殖上、有利ではないわけです。そして複数の雄と雌が共存する乱婚型の群れを形成します。群れの雄の間では序列があり、優位の雄ほど繁殖の機会に恵まれる傾向はあるものの、劣位の雄にも機会はあります。これらの種の雄では交尾の回数を増やした方が有利となります。そのため、睾丸が巨大化します。チンパンジーの雄は人間の雄より体が小さいのに、睾丸は人間より大きくなります。驚いたことに、霊長類で最大の睾丸を持っているようです。*3睾丸が雌を攻略するフラグになるわけです。

ゴリラではハーレムを確保した雄は交尾の相手が固定されているため、交尾の回数が少なくて済みます。そのため、睾丸が小さくなります。チンパンジーとは逆に、ゴリラの雄は人間の雄より体がはるかに大きいのに、睾丸は人間より小さいという面白いことになっています。ゆえに、ゴリラの子供は雌雄の区別が難しいそうです。

コラム 一夫多妻制

類人猿の繁殖方式は、下の表のようにまとめられます。

繁殖様式 雌雄の体格差 雄の体重に対する精巣の大きさ 種群
一夫多妻(ハーレム型) 大きい 非常に小さい ゴリラ類
多夫多妻(乱婚型) 中程度 大きい チンパンジーボノボ
一夫一妻 小さい 小さい テナガザル類

出典:長谷川寿一長谷川眞理子、進化と人間行動、東京大学出版会、P208の図より作成。
オランウータンは少々特殊な事例です。雌雄の体格差はゴリラより大きいのに、精巣は比較的大きいこと。霊長類では例外的に群れを形成せず、雌雄とも単独で暮らすこと。などの特徴があり、一夫多妻型とも乱婚型とも言えます。

人間は繁殖様式という点では、非常に中途半端です。雌雄の体格差はやや小さく、一夫一妻型に近いと言えます。一方で精巣はやや小さいものの、一夫一妻型や一夫多妻型よりはやや大きくなります。
人類の進化の過程を考えると、精巣は化石として残らないため、分析できません。しかし、雌雄の体格差はわかります。初期の人類であるアウストラロピテクス・アファレンシス種では、雌雄の体格差は非常に大きかったとされています。つまり、最初期の人類は一夫多妻型だったと考えられます。その後の進化の過程で、現代のホモ・サピエンス種では雌雄の体格差がやや小さくなっています。
以上より、人間は生物学的には「基本的に一夫一妻型である」と言えそうです。

なお、文化人類学的には人間の集団の大多数は一夫多妻制を採っていますが、実際には大多数の男は一人の妻しか持ちません。複数の妻を持てるのは強い権力や財力を持つ男だけです。人間は生物学的には一夫多妻型ではないものの、社会的には一夫多妻型の傾向があると言えます。

大威震ハーレム制覇・種持ち喧嘩せず

ニホンジカは、体が大きく強い雄が広大な縄張りを確保し、その範囲内で複数の雌が行動します。つまり、ハーレム型の繁殖を行います。体が小さい雄は、ハーレムの主の雄の目を盗んで雌と交尾する機会を常に狙っているため、ハーレムを持たなくても繁殖できることはありますが、成功率はあまり高くはないようです。

上に述べたようにシカは秋に繁殖期を迎えますが、その間の雄は発情した雌を探し回って交尾したり、雌がハーレムから逃げないように見張ったり、雌の横取りやハーレムの乗っ取りをたくらむ他の雄を追い払ったりと、多忙を極めます。食事の暇すらないほど忙しいため、この時期に雄は急激に体重を減らします。
ここで大きな問題があり、秋に繁殖に励み過ぎると、体力が低下して冬を越せずに死んでしまいます。来年以降を見越して繁殖を控えるか、将来を考えずに繁殖に励むか。悩ましいトレード・オフになります。

これに関して、面白い傾向が確認されています。体が大きく強い雄は、来年以降もハーレムを確保して繁殖できるチャンスがあります。そのため、無理な繁殖を控え、体重の減少、体力の低下を避けて冬に備えます。一方の体が小さく弱い雄は、来年以降に繁殖できるチャンスが保障されていません。ゆえに、直後の冬に死んでしまうリスクを冒してでも、繁殖に励みます。これはこれで弱者の合理的な戦略なのかも知れません。

コラム シカの獣害対策における雌雄の捕獲の問題

シカによる獣害が全国的に深刻化しています。その対策として猟師による捕獲が奨励されていますが、なかなか上手く行きません。その理由の一つが、雌雄の問題です。猟師は体が大きく、立派な角を持つ雄を捕獲したがります。トロフィーのようなものですから。しかし、大半の雄は繁殖に参加できないため、雄を多数捕殺しても翌年生まれる子供の数は減らず、個体数を減らすことはできません。シカの個体数を減らすには、雌を捕殺せねばなりません。

ドッキングパパ

霊長類では、雄による子殺しが多くの種で確認されています。なぜ雄は子供を殺すのでしょうか。その理由はおそらく、「子供の母親である雌に自分の子供を産ませるため」であろうとされています。
育児中の雌は発情しないため、繁殖ができません。例えばチンパンジーでは、雌の授乳期間は4年ほど、出産間隔は6年ほどと非常に長いため、雄が繁殖する上で子供は邪魔になります。そこで雄は子供を殺します。もちろん雌は抵抗しますが、大抵の場合子供は殺されます。そして子供を失った雌はすぐに発情し、子供を殺した雄と交尾します。どうにも人間には理解し難い行為ではありますが、これはこれで繁殖戦略として合理的なのでしょう。

ところで、当然ですが、雄は自分の子供を殺しません。そんな遺伝的要因を持つ系統は子孫を残せないからです。そのため、雌側の対策は、雄に「確かにこの子供は俺の子供だ」あるいは「もしかしたらこの子供は俺の子供かも知れない」と思わせることです。
前者を言い換えると、一夫多妻型、一夫一妻型の繁殖形態をとる(雌が浮気しない)ことで、雄に父性を確信させることです。これにより、雄は「この子供は自分の子供だ」と確信できるので、積極的に子供を守ります。一方の後者では、正反対に複数の雄と交尾することにより、複数の雄に「この子供は自分の子供かも知れない」と思わせられるので、子供が殺されることはなくなります。*4

ゴリラは前者の種であり、雄が育児に参加することが知られています。子供が離乳すると母親は子供を手放して疎遠になり、後は父親が面倒を見るようです。
後者の種であるチンパンジーボノボの雄は育児をしません。「自分の子供かも知れないから殺しはしない。しかし自分の子供ではないかも知れないので育児もしない」という戦略です。人間は一夫一妻型なので、雄による育児が見られます

MAX魔羅

大半の哺乳類の雄は「陰茎骨」という骨を持っています。存在する位置と機能はご想像の通りです。ところが人間にはこの骨がありません。近縁種のゴリラやチンパンジーにはあるのに、です。この骨は小さい上に他の骨とつながっていないため、雄の個体が死んで骨格以外の組織が消失すると、散逸してしまうことがほとんどです。そのため、人間の進化の過程のどの時点でこの骨が失われたのか、研究は進んでいません。なお、かつてのお下品ジャンプ漫画「新ジャングルの王者ターちゃん♡」では、この骨がネタになったことがあります。
交尾回数が多い乱交型の種ほど陰茎骨が発達する傾向があるとされています。何となくわかりますね。さらに、チンパンジーボノボでは、雄の精液が雌の膣内で固まり、他の雄との交尾を妨害するという機能があります。陰茎骨は、この障壁を排除するために陰茎の硬度を増すべく発達したのだろうと考えられています。

ちなみに、人間の陰茎は霊長類で最大の大きさなのに、陰茎骨がありません。ゆえに、エレクチオンを維持するには海綿体に大量の血液を送り込まねばなりません。心臓や血管に不調があるとEDになりやすいのはそのためです。

年増園・閉経にあらずんば人にあらず

チンパンジーニホンザルの雄の間で人気のある雌は、中年の個体です。理由は簡単で、妊娠・出産・育児の経験があるからです。無事に子供を産んで育ててくれる可能性が高いと考えられます。
人間の男が古今東西若い女を好む理由はよくわかりませんが、「若い内から確保しておけば長期に渡って子供を産ませることができる」「若くて未熟なら服従させやすい」くらいでしょうか。

人間の女は40代-50代になると更年期を迎え、月経が止まります。この閉経という現象は人間の大きな特徴です。霊長類の雌は、閉経を迎える前に死ぬか、閉経を迎えたらすぐ死ぬかのどちらかです。つまり、野生条件下ではあまり閉経は起こりません。飼育条件下では、繁殖力を失ってもしばらく生きることはあるようです。自然界は繁殖できない個体に生きることを許すほど優しくはないようです。なぜ人間の雌はなぜ閉経を迎えるのでしょうか。また、なぜ閉経後も生きることができるのでしょうか。この理由は、人間の出産間隔の短さと子供の成長の遅さにあるようです。

チンパンジーの雌の出産間隔は6年前後と長く、子供を産んだ雌が次に出産する時には先に生まれた子供は既に自立しており、育児の必要がありません。つまり、同時に複数の子供を育てる必要がないということです。一方の人間の女では出産間隔は2-3年で、先に生まれた子供はまだ幼児ですので、育児が必要です。そのため、同時に複数の子供を育てる必要が生じます。そこで、育児の経験が豊富な高齢の女による補助が重要となります。
このように、「閉経を迎え繁殖力を失った高齢雌個体でも、長生きして孫世代の育児に参加することで繁殖力を高めることができる」という考えを「おばあさん仮説」と呼びます*5

ボインはお父ちゃんのもんでもあるんやで

乳房が乳児のための泌乳器官であることは言うまでもありません。しかしそれにしても、人間の乳房は大きすぎます。類人猿では乳房は目立ちません。乳首があるだけです。それでも泌乳に不都合はありません。乳房は脂肪組織なので化石として残らず、人間が進化の過程でどのように乳房を巨大化させていったかはわかりませんし、その理由も推測しかできません。
現在考えられている理由は、「繁殖力の象徴」です。上で述べた通り乳房は脂肪組織なので、乳房が大きいということは、体に多量の脂肪を蓄えているということです。妊娠・育児には多量の脂肪が必要ですので、乳房の大きい女は育児能力が高いと考えられます。乳房の大きさは育児能力の指標と見なされるようになったと言えます

コラム 難産は人間の宿命

人間は色々と変てこな進化を遂げた動物ですので、出産を苦手としています。詳しくは拙ブログの別記事をご覧あれ。

自慰のレコンギスタ

中学生の頃に、猿に自慰を教えると理性がないため死ぬまで続けてしまう、という笑い話を複数の旧友から聞きました。実際にはこれは大嘘で、複数の種の霊長類で自慰が確認されています。その理由はもちろん性的興奮が高まった時に快楽を求める、という点にあると思われますが、他にも理由はあるようです。
雄の精巣で生産された精子は数日間保存されますが、時間が経つと運動能力が下がり、受精能力も下がります。自慰は古い精子を捨てて精子の鮮度を保つための行為だと考えられています。つまり、自慰は精子と体力を無駄にする不毛な行為ではないと言うことです。自慰の失地回復

かぼちゃ和淫

哺乳類では雌が同意しない限り、交尾は成立しません。雄が暴力をもって無理に交尾するレイプは成立しません。その例外が、オランウータンです。
オランウータンは性的二型が強く、雄の体重は雌の2倍にもなります。それに加えて、成熟したオスは顔にフランジと呼ばれる独特のひだができます(参考:Google画像検索「orangoutang flange」)。さらに、喉に袋状の組織が発達し、独特の大きな声で吠えることができます。この吠え声により雌を呼び、他の雄を追い払います。一方で、体が小さく、フランジや喉袋が発達しない雄もいます。そのような貧弱な雄は雌に相手にされないので、レイプという形で繁殖を行うことがあります。ただし、これをレイプと呼ぶべきかどうかは専門家でも意見が割れるようです。

ライダー 陰唇 とうっ!

人間の唇の厚さは肌の色と関係があるとされています。肌の色が濃い集団ほど唇が厚く、逆に肌の色が薄い集団ほど唇が薄くなる傾向が確認されています。その理由は、もともと唇は粘膜のため血液の色が透けており、赤くなります。肌の色が濃くなると唇の色が目立たなくなるため、人間は唇を厚くすることで目立たせようとする方向に進化しました。ではなぜ唇を目立たせる必要があるのでしょうか。唇は化石で残らないので研究が難しいのですが、以下のような説があります。

唇は実は女性器の模倣だというのです。霊長類は原則として四つんばいで歩くため、雌の後ろにいると生殖器がよく見えます。一方の人間は直立二足歩行のため、立ったままでは生殖器が見えません。そのため、体で最も目立つ場所である顔に生殖器の代わりとなる器官を発達させた、という考えです。この説の大きな弱点は、男女で唇の厚さに差が見られない、という点です。

最も妥当な説は「顔の表情のバリエーションを増やすため」くらいでしょうか。霊長類では口の形で感情を伝える種が多いので、唇が目立てば感情表情が豊かになります。
余談ですが、霊長類では雄の犬歯が発達します。威嚇の道具ですね。これも上で述べた性的二型の一種です。人間では男女で犬歯の大きさの差がほとんど見られないため、性的二型はここでも小さいと言えます。こういう点でも、人間は原則として一夫一妻型だと言えます。

これからの性技の話をしよう

霊長類は口、手、肛門などを使い、多種多様な性行為を行います。しかし、不惑も近い歳になってもそれを解説することは恥ずかしいので、以下の文献を参照して下さい。
シリーズ21世紀の動物科学 性と生殖 培風館
心と行動の進化を探る 人間行動進化学入門 朝倉書店
人類進化論 霊長類学からの展開 裳華房

雄プレイ・百合!!! on ICE

日本でもアメリカでも保守派の連中にとって、同性愛は堕落した異常な性的志向の象徴のようです。実際はただの好き嫌いに過ぎないのに、「子孫を残せない性的志向は自然の摂理に反する」とか何とか。海外の事情は知りませんが、日本の保守派は歴史を都合よく利用する割には無知なので、男同士の愛が麗しき日本の伝統であることを知りません。お稚児とか陰間茶屋とか若衆歌舞伎とか衆道とか。
同様に、同性愛は人間にのみ見られる特殊な性行動というわけでは決してありません。多くの霊長類の種で同性の個体間での性行為が確認されています

ニホンザル

ニホンザルでは雄同士、雌同士の両方で同性愛行動が確認されています。雌は発情すると独特の鳴き声を発します。「うっふ〜ん♡」「あっは〜ん♡」「いや〜ん♡」あたりでしょうか*6。何と雄がその鳴き声を発し、雄同士の行為において受け役を演じた例が報告されています。
逆に、雌同士でマウンティングし合う事例も報告されています。(参考:Google画像検索「ニホンザル マウンティング」

ボノボ

ボノボは非常に性行動が盛んな種で、雌雄の間だけでなく、雄同士、雌同士でも多種多様な性行動が見られます。最も有名なものは雌同士の「ホカホカ」でしょうか(参考:京都大学霊長類研究所)。
雄同士でも様々な行動が見られます。雄同士が四つんばいになって尻をくっつけたまま体を前後に揺する行動が確認されています。睾丸をぶつけ合っているのではないかと推測されています。他にも、研究者が「チャンバラ」と呼ぶ行為があるようです。全くもって嫌です。

ゴリラ

ゴリラでは雄同士の同性愛行為が報告されています。報告したのは京都大学総長の山極寿一氏です。
同性愛行為は極めて珍しい雄のみの群れで確認されました。成熟したオス(いわゆるシルバーバック)は攻め役のみで、若い雄と幼い雄は攻めと受けの両方の役をこなしたそうです。

いずれの種でも、同性愛行為は同性の個体間の緊張を緩和したり、逆に適当な緊張感を維持するための行為であろうと推測されています。言わば社会を維持するための共同作業ですね。人間でも同様と考えられています。ただし、当然ながら人間の同性愛行為は文化的な側面も強く、本記事の趣旨に外れるのでこれ以上の考察は行いません。
なお、子孫を残す上で障害にしかならない同性愛がなぜ淘汰されないのかという大きな問題は、個体群を「異性のみを愛する者」「両性を愛する者」「同性のみを愛する者」と大別すればわかりやすいかと思います。両性愛者同士で子孫を残せば同性愛の遺伝的要因は淘汰されずに残ります。

おわりに

人間は少々特殊な動物であり、他の動物との単純な比較は厳禁です。さりとて、人間が生物学的存在であるという事実は未来永劫変わりません。我流の変てこな生物学を持ち出して他人の性に関する行動を批判する輩を見付けたら用心しましょう

私の学生時代の専門は牛のうんこでしたので、この記事の内容は全て付け焼刃に過ぎません。専門家による知見をつまみ食いしているだけです。お詳しい方による批判・誤りの指摘などを頂ければ幸いです。この記事が人類学・霊長類学・動物行動学に関心を抱く契機となることを願っております。さらに詳しく学びたい方は下記の文献をご参照あれ。

なお、私は人生で最初に駄洒落と下ネタの融合に出会った時をよく覚えております。高校時代に読んだ筒井康隆氏の短編集、「日本列島七曲り(角川文庫)」に収録された「郵性省」における「御手淫船」ですね。

参考文献

Amazonで「動物行動学」で検索すると、竹内久美子の書籍が多数ヒットして焚書したくなったのは秘密です。ちなみに、私が今でも尊敬する高校時代の生物の師匠は、竹内久美子について「非常に低俗で週刊誌的。学問を捻じ曲げている」と、これ以上ないほど明瞭簡潔に評していました。さらに、資料購入のために東京の某大手書店の本店に行ったら、竹内久美子のコーナーの隣が池田清彦のコーナーで、悪夢のような光景でした。書店に罪はありませんが。医師の方々は書店で内海聡や近藤誠のインチキ本が並んでいるのを見ると同じ気持ちになるのでしょうね。

脳とホルモンの行動学 行動神経内分泌学への招待 西村書店
動物の多様な生き方1 見える光、見えない光 動物と光のかかわり 共立出版
動物行動図説 家畜・伴侶動物・展示動物 朝倉書店
性器の進化論 生殖器が語る愛のかたち 化学同人
シリーズ21世紀の動物科学 性と生殖 培風館
性をめぐる生物学 ネズミから学ぶ アドスリー
野生馬を追う ウマのフィールド・サイエンス 東京大学出版会
シカ問題を考える バランスを崩した自然の行方 山と溪谷社
野生動物への2つの視点 “虫の目”と“鳥の目” 筑摩書房
野生動物の生態と農林業被害 共存の論理を求めて 全国林業改良普及協会
行動生態学 共立出版
哺乳類の生物学4 社会 東京大学出版会
新版 動物の社会 社会生物学・行動生態学入門 東海大学出版部
アフリカで誕生した人類が日本人になるまで ソフトバンク新書
進化と人間行動 東京大学出版会
動物の生存戦略 行動から探る生き物の不思議 左右社
心と行動の進化を探る 人間行動進化学入門 朝倉書店
人とサルの違いがわかる本 知力から体力、感情力、社会力まで全部比較しました オーム社
チンパンジー ことばのない彼らが語ること 中公新書
あなたはボノボ、それともチンパンジー? 類人猿に学ぶ融和の処方箋
人類進化論 霊長類学からの展開 裳華房
学んでみると自然人類学はおもしろい ベレ出版
ホミニゼーション 京都大学学術出版会
ヒト 異端のサルの1億年 中公新書
人間史をたどる 自然人類学入門
新しい霊長類学 人を深く知るための100問100答 講談社ブルーバックス
世界で一番美しいサルの図鑑 X-KNOWLEDGE

*1:「社会的な要因」を「非生物学的な要因」と表現することには違和感を覚えますが、他に適切な表現を思い付きません。

*2:この理論を提唱したのは遺伝学、育種学、統計学の大家にして優生学者でもあったロナルド・フィッシャーです。

*3:少々ややこしいのですが、霊長類で最大の「玉」を持つ種はチンパンジーですが、最大の「竿」を持つ種は我々人間です。

*4:チンパンジーでは雌による子殺しも確認されているため、子殺しの原因は研究者でも意見が割れているようです。

*5:差別主義の権化、石原慎太郎のクソジジイが誤解した説です

*6:こういう表現をしてしまうのはかつてのジャンプ漫画「CITY HUNTER」の影響です。