バッタもん日記

人生は短い。働いている暇はない。知識と駄洒落と下ネタこそ我が人生。

さかもと未明のコラムについて 悪いのは誰か

昨日から、漫画家のさかもと未明氏が月刊誌Voiceに掲載した記事を巡って、ちょっとした騒動が起こっています。この騒動に便乗して駄文を書きます。

私は同氏の作品については、「週刊SPA」に連載されていた「ニッポンの未明」を何度か立ち読みしたぐらいです。その時の感想は、「他人の受け売りだけでオリジナリティのない漫画」「保守派の大物に媚びているだけの漫画」「ベンジャミン・フルフォードのようなインチキジャーナリストに利用されているだけの漫画」という物でした。立ち読みしたのは10年ほど前なので、記憶が定かではありませんが。

この記事を読んで、私が驚いたのは以下の点です。

  • さかもと氏の行動があまりに酷いこと
  • さかもと氏が自分の行動の酷さを自覚していないこと
  • さかもと氏が自分の酷い行動を雑誌という公共の媒体で公開したこと
  • 雑誌編集部がこの酷い文章を雑誌という公共の媒体で公開したこと

私は、この騒動で一番悪いのはVoice編集部だと思います。
代わりの穴埋めの原稿を用意できなかったのか、あるいはそもそも問題のある内容だと最初から思わなかったのか。事情はわかりませんが、こんな酷い文章を掲載した責任は重大であると思います。
なぜならば、「犯罪になりかねない行為を堂々と公表する文章を掲載した」、「心の病気の人間を結果として晒し者にした」からです。
私は精神科医でも心療内科医でもないので何の根拠もありませんが、既にこの人の行為は正常ではありません。差別だとの批判を承知で書くと、心の病気だと思います。経歴を調べるとうつ病の既往歴があり、現在も複数の難病を患っているようです。編集部はこの文章に目を通して異常を感じなかったのでしょうか。
なお、「赤ちゃんの泣き声を許容できるか」という問題については、大いに意見が割れるところでしょうし、私自身も耐えられるかどうかはその時の気分と体調次第ですので、敢えて触れません。

元の記事から、さかもと氏の異常な行動を拾い出してみます。

「もうやだ、降りる、飛び降りる!」
私は、着陸準備中の機内を、出口に向かって走り始めた。

あなたのお子さんは、もう少し大きくなるまで、飛行機に乗せてはいけません。赤ちゃんだから何でも許されるというわけではないと思います!

案がないなら私が考えるし、必要なら航空法とか変えさせる!

マナー的に、まず親が「2歳くらいまでは乗せないほうがいいかもね」くらいのコトを考えたらいいと思う。

周りに迷惑をかける可能性があることは乗客のほうで考えて、遠慮するべきだよね。

「航空会社だけに責任と改善策を求めるのではなく、乗客の側からも公共マナーに関する議論を起こしていくべき」と感じるようになります。

空の旅の常識を改善していくいい機会なんじゃないかしら。

世界一安全で快適な空の旅をつくり上げてほしい。

「乗客のわがままにも精いっぱい応えなきゃ」と変な気を使ってばかりいたら、もったいないよ。

完全に自制心を失い、衝動だけで行動しているような印象を受けます。飛行中の、それも着陸準備中の機内で勝手に歩くのは重大な違反行為のはずです。本人もそれぐらいわかっているでしょうから、よほどのパニック状態だったのでしょう。そしてこのような暴挙を、あまり悪びれもせずに(多少は反省しているようですが)堂々と公表するあたりも、まだパニック状態は治まっていないのではないかという気がします。

自分の言動を全く客観視できなくなっています。自分が他人にされたことは重視するのに、自分が他人にしていることには全く無頓着です。「着陸準備中の機内で勝手に歩く」ような人間に、「迷惑」や「マナー」について語る資格があるのでしょうか。他人の「快適な空の旅」を奪ったという自覚もないようです。

「赤ちゃんは何をしても許される」というわけではないのは事実です。同様に、「赤ちゃんの泣き声がうるさいからといって、何をしても許される」ということもありません。
さかもと氏に「赤ちゃんを飛行機に乗せるな」と要求する権利があるのならば、周囲の乗客には、「さかもと氏のような傍迷惑な乗客を飛行機に乗せるな」と要求する権利があると思います。

「航空会社は迷惑な乗客に対して断固たる態度を取るべきだ」というのが最近の「空の旅の常識」なのではないかと思います。

機内でも空港でもさんざん航空会社に対してわがままを言い、過剰な対応を要求しておきながら、「乗客のわがままに全て答える必要はない」と述べるのはどういうことでしょうか。自分の行為を忘れているのでしょうか。

政治家でも官僚でもないさかもと氏に「航空法を変えさせる」ことなどできるのでしょうか。誇大妄想ではないかという気がします。

今回の騒動がさかもと氏の心の病気に起因するのであれば、騒動の道義的責任を氏に問うのは問題があると思います。氏にまず必要なのは、反省や謝罪より治療でしょう。
第一に責任を問われるべきなのは、Voice編集部です。このような酷い文章を公表した責任は重大だと思います。

誤解のないように言っておきますが、私は「心の病気を抱えた人間は文章を書くな」などと言いたいわけではありません。誰でも言論の自由は尊重されて然るべきです。
ただし、同時に雑誌には公共の媒体として、道義に反する記事を掲載しないという責任があるはずです。このように問題が多い文章は編集部の判断で掲載を差し止めるべきです。
何より、結果として悪い意味でさかもと氏は有名になってしまい、晒し者になったのですから。「自分の意思で文章を書いているのだから自業自得だ」という正論は、病気の可能性のある人間にはいささか酷なような気がします。

そもそもこの記事は、「再生JALの心意気」というタイトルが示す通り、JALへの応援メッセージという意図のもと掲載されているはずです。ところが、実際の記事は何の応援にもなっていません。自虐的に「酷いクレーマーに絡まれて大変だなぁ」という同情を呼ぶ効果はあるかもしれませんが。つまり、記事としての目的を果たせていません。この点でもこの記事は失格です。

雑誌の編集部たる者、記事の内容に関しては十分に責任を自覚して欲しいところです。