バッタもん日記

人生は短い。働いている暇はない。知識と駄洒落と下ネタこそ我が人生。

家畜に砂糖を与えるとどうなるか?

タイトルに関して結論から言うと、どうもなりません。家畜に砂糖を与えることはごく普通に行われていますが、問題が起こっているとは報告されていません。
一方、マクロビオティックや食養に傾倒している人の書籍やブログを読むと、次のような引用文をよく見かけます。

『砂糖がもし『栄養だ』というものがあるなら、一度家畜に与えてみるがよい。たちまち病気になり死ぬ」』(アメリカのJ・I・ロデール博士

調べた限りでは、この文言は稀代のインチキジャーナリスト、船瀬俊介が「知ってはいけない!? 消費者に隠された100の真実(徳間書店)」というトンデモ本で紹介したのが世間に広まったきっかけのようです。さらに調べればより古い起源が見つかるかもしれません。

砂糖有害論を唱える連中は、この言葉を金科玉条のごとく繰り返します。しかし、本当に砂糖は家畜に有害な物質なのでしょうか。

現在、世界的に砂糖は熱帯・亜熱帯地域ではサトウキビから、温帯・亜寒帯地域ではサトウダイコン(ビート、甜菜)から作られるのがほとんどです。
これらの作物から砂糖を抽出(搾る・煮出す等)すると、絞り粕と廃液が残ります。サトウキビの絞り粕はバガスと呼ばれ、家畜の餌になります。サトウダイコンの絞り粕はビートパルプと呼ばれ、やはり家畜の餌になります。また、廃液も餌となります。条件により濃度は変動しますが、絞り粕や廃液には当然砂糖が残っています。つまり、家畜に砂糖を与えることは珍しくも何ともないのです。そして、世界中で膨大な数の家畜が砂糖を食べていますが、健康被害は報告されていません。

砂糖有害論の根拠としてこの主張を用いるのは誤りというべきでしょう。ただの勉強不足です。ちょっと調べれば、ペットフードにもビートパルプが入っている物が多いことぐらいすぐわかります。

参考文献
砂糖の事典 日高秀昌他(東京堂出版)
砂糖の科学 橋本仁・高田明和(朝倉書店)
動物の飼料 唐澤豊他(文永堂)
動物飼養学 石橋晃他(養賢堂)
これを食べれば医者はいらない 若杉友子(祥伝社)(注意:トンデモ本です)