バッタもん日記

人生は短い。働いている暇はない。知識と駄洒落と下ネタこそ我が人生。

坂本龍一はただのアホである

坂本龍一という人物には今まで全く興味がありませんでした。
非現実的な脱原発論を唱える一方で、電気自動車のTVCMに出演するようなちょっと無知で思慮の浅い脳内お花畑文化人、ぐらいの認識でいました。

ところが、このインタビュー記事を見て激しく腹が立ちました。電力や原発のことは専門外なので、どんなひどい発言を行ってもまたバカがバカなことを言っているな、ぐらいにしか思いません。しかし農業に関しては別です。農業に対する誤解を広められては困ります。
ジャーナリストの松永和紀氏による『食の安全と環境「気分のエコ」にはだまされない』という名著がありますが、この男はまさに「気分のエコ」の典型です。知識もなく考えもせず思い付きと思い込みだけで発言し、「何となくエコ」な気分に浸る。実に低俗で愚かな行為です。

では実際に発言を批判します。

○「日本列島全体が豊かになってきた歴史があります」
現代の日本は、人間が住むようになってから恐らく歴史上有数の森林面積を維持しています。現代の日本の農業は森林に優しいと断言できます。明治時代ごろまでは日本全国でハゲ山が見られました。
理由は簡単です。「伝統的な農業」は収量(面積当たりの収穫量)が少ないので広大な農地を必要とするため、森林を破壊せざるを得ないのです。
また、化学肥料が普及していないので、落ち葉を有機肥料として投入する必要がありました。その結果、森林土壌に還元されるべき落ち葉が奪われるため土壌が貧弱になり、森林自体も貧弱になりました。「有機農業」は当然ながら有機物を必要とします。現代のように大量の食品廃棄物や農業廃棄物が発生する状況でもない限り、有機物は農地周辺の環境から収奪するより仕方がありません。
もう一つの理由は次に述べます。

化石燃料に依存した暮らしは怖い
現代の日本で森林が維持できている最大の理由は、「日本が化石燃料に依存しているから」です。
化石燃料の使用を止めたら薪に依存せざるを得なくなり、瞬く間に森林が破壊されます。
現代の日本の農業は化石燃料に完全に依存しています。化石燃料がなければ機械が動かないので、米を作れません。肥料は工場で化石燃料を使って生産され、化石燃料を使って輸送されています。何とか農作物ができても、化石燃料がないのでは輸送できません。
化石燃料に依存するのをやめれば、日本全国で森林は消滅し、農業は壊滅して飢餓が起こります。阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられることでしょう。

有機農法的な技術はそれほど受け継がれていないので3000万人を食べさせることすら厳しい
何だか「有機農法」という用語を誤解して幻想を抱いているような節があります。
そもそもこの部分は論理展開が変です。
「現代の農業は化石燃料に依存している」⇒「化石燃料なしでは壊滅する」⇒「化石燃料に依存するのは危険だ」ではなく、「化石燃料なしでは壊滅する」⇒「化石燃料を常に確保しよう」と考えるべきです。

○食を自給する町作りを
食料自給率を向上させるためには、今以上に効率を重視した農業を行わねばなりません。大型機械の導入は必至であり、結果として化石燃料の消費量を増やすことになります。
また、現在の日本の農地面積では、日本人の現在の食生活を維持できません。「自給」という用語がどの程度の水準を指すのか不明ですが、完全自給は原理的に不可能です。

○畏れ、おののきを僕は忘れたくない
農業がバカ文化人の脳内お花畑全開のたわ言など通用しない厳しい世界であるということに気付いていない時点で「畏れ、おののき」など完全に忘れています。

全体に、化石燃料を否定しながら、化石燃料に代わるエネルギー源について具体的に何も提案していません。お決まりのように節電と自然エネルギーを持ち出すだけです。それでは何の説得力もありません。

日本では思想・信条・言論の自由が保障されていますので、どんなバカでも言いたいことを述べる権利があります。しかしここまでデタラメを垂れ流すのは社会的に害悪だと思います。農業に幻想を抱くこと、抱かせるような主張を垂れ流すことは止めて欲しいと切に願います。