バッタもん日記

人生は短い。働いている暇はない。知識と駄洒落と下ネタこそ我が人生。

「奇跡のリンゴ」は大嫌い

木村秋則氏の「奇跡のリンゴ」で検索してこの日記にたどり着く方がいるようなので、ちょっと書いてみます。
昨年の8月に少し触れましたが、私はこの人物はただの嘘つきだと思います。
ワサビや食酢を使っている時点で完全に「無農薬」の定義から外れますし、大豆を植えて緑肥を使っている時点で「無肥料」ではありません。

この人物を無批判に絶賛した書籍、『奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録(石川拓治著、幻冬舎)』では、木村氏の農法が法的な意味での「無農薬」の定義から外れることについて説明していましたが、苦しい言い訳にしか見えませんでした。

また、幻冬舎の担当編集者はこの本について、
「実は農業本として出しているつもりはないんです。(中略) またこの本は木村氏に対する賛否両論を取り上げて、業績をジャーナリスティックに検証する本でもありません。あくまでも木村氏という対象に寄り添って、成し遂げた部分にスポットライトを当てたかったんです」
「農業に無関係の人にも興味を持ってもらえる内容にしようと考え、作者の石川氏にはリンゴに関する学術的な説明より、土の匂いや自然など、肌で判じる描写を多く入れてほしいと依頼。(中略) 自己啓発やビジネス書のコーナーへも拡大して認知を広げていった。 」
と述べています。(農業技術通信社サイトより)

そもそも著者である石川拓治氏の経歴を見る限り、農業・農学の知識があるようには思えません。つまり、この書籍は学術的な検証に耐えられるものではなく、農業・農学の素人を騙して木村氏を盲目的に崇拝するように誘導するだけの自己啓発本であることを出版社自ら認めていることになります。

もう少し資料を集めてから、後日さらに批判してみたいと思います。

余談ですが、この農業技術通信社は、以前にオカルト農法探検隊と称する連載記事で、「アガバドロ数」などという珍妙な用語を掲載して失笑を買ったことがあります。詳しくはこちらで。
ただし、上に挙げた記事では、かなり批判的なことも書いているので、お薦めです。